中田達也先生をお招きして
認知科学に基づく語彙指導研究会では、2021年度の春の定例会にて、「英単語学習の科学」の執筆者、中田達也先生をお招きしました。
皆の期待以上の中身の濃いご発表で、とても素晴らしい時間を過ごすことができました。
なかでも、一番最後に話された、「累積型単語テスト」と「非累積型単語テスト」ではどちらが効果が高いか、という研究は、
最新の未発表のもので、私たちの好奇心を
がっちりつかんだものでした。
「累積型単語テスト」とは、単語テストを
例えば8回やるとすると、1回目は、1から10までの単語をテストし、2回目は、1から20までの単語をテストし、3回目は、1から30までの単語をテストし、以下同様にして、8回目の単語テストは、1から80までを
テストする、というものです。80問必ずしも出さなくても、テスト範囲としてその中から数問出題されればよいということでした。
それに対して「非累積型単語テスト」は、
1回目の単語テストでは1から10までの単語をテストし、2回目の単語テストでは、11から20の範囲をテストし、以下同様にして
8回目の単語テストは70から80の単語をテストするというものです。
「累積型単語テスト」は、「非累積型単語テスト」に比べて統計的に有意な差を持って定着率が高いことがわかりました。
この研究から、単語テストは、ひとつの単語を何回も繰り返しテストすることの効果をあらわしていると思われます。
中田先生、改めて、素晴らしい時間をありがとうこざいました。