英語教育雑感

英語教育雑感part2

認知科学に基づく語彙指導研究会 夏の定例会終了

7月20日、認知科学に基づく語彙指導研究会の夏の定例会が終了した。
三省堂外国語辞書編集室編集長の寺本衛さん、群馬県立太田フレックス高校の木村一弘先生、明海大学非常勤講師の野上文子先生の
3名による発表があった。

寺本さんの発表は、普段なかなか聞けない貴重なもので、「英和辞書を利用した深い語彙学習」というタイトルであった。現在、辞書は、受容語彙を育てるものから、もう一歩踏み込んで、発表語彙を増やす手助けをする方向に進んでおり、そのための工夫がいろいろとなされているとのことであった。
チャンク学習ができるように工夫されており、nativeという単語には、native American,
native language, native speaker 等が見出し語として書かれているとのことである。
 また、意味マップのページは、これは本当に辞書なのか?と思わせるほどのsemantic mappingのページがあり、辞書の概念がどんどん変わっていることを示すものであった。

気になったのは、これだけ、辞書にいろいろな情報が入ると、生徒たちは使いこなせるのかということである。辞書から、知りたい情報をゲットする練習のための生徒用ワークブックなどあればよいかな、と思った。

木村先生のご発表は、学会誌に書いて頂いたものを実際の授業ではどうなのか、ということをビデオを使って見せてもらった。ビデオの中の生徒たちは活き活きとしており、木村先生の授業の工夫が、生徒さんたちをとても良く導いていることがよくわかった。

野上先生のご発表は、大学生へのアンケート結果からのまとめであり、今の大学生が授業に何を求めているか、その方向が見えるものであった。これからまだ発展途上の研究であり、是非研究を続けて頂き、学会誌へのコントリビュートをお願いしたいものである。

皆さま、お疲れさまでした。