英語教育雑感

英語教育雑感part2

日本人と英語


  日本人、というか、正確には日本語を母語とする人々にとって、英語とは何なのだろう。

  今のお父さん、お母さん世代の人にとっては、英語や英会話は、自分の趣味で習いたいという人が多い。
  他の言語を趣味で習うことが出来るというのは実に幸せなことである。特に権力と結びつきやすい英語を趣味で勉強したいというのは、本当に幸せなことなのである。
  イギリスやアメリカが植民地化した国では否応なしに英語を身につけなければ生きていけない。または、よい仕事につけない。
日本も戦争に負けた時、日本語を禁止され、英語を公用語として使うことを強いられていたら、みんな戦々恐々として英語を身につけただろう。その結果、日本語や日本文化は絶滅危惧種になっていたかもしれないのだ。そういう悲劇的なことがなかったから、私たちは、英語、英会話を学ぶことを趣味として選択することができる。
  そして、この世代の人は、子どもたちには英語を身につけさせたいと考えて、子どもの頃から英会話を習わせたりしている。
英語がどんなに権力と結びつく危険な言語だということにはまるで気づいていない。この天真爛漫さは恐ろしいことである。
母語というものが私たちにとってどれだけ大切なものか、考えていない。
   英語教育は、反国際的な教育、という一面を持っている。その危うさにもっと敏感であるべきだ。