英語教育雑感

英語教育雑感part2

基本的だが、ちょっと面白い研究

語彙習得理論からすると、メチャ、基本的だけれど、ちょっと面白い研究を見つけた。

宮本(2012)は、定期試験の語彙問題を英語から、日本語にするテスト(その単語を知っているかどうかの再認テスト)から、日本語から英語にする再現テストにしたら、一年間を通しての定期試験で、4回目、つまり、最後の期末テストで、語彙問題の正答率が大幅に上昇した、というのである。

リサーチデザインはともかく、日本人高校生の実態によく合った研究だと思い、共感するとところが多くあった。

研究参加者を成績上位者と下位者に分けた分析では、成績上位者にこうした傾向が顕著に見られた。細かなスペリングミスも統計的に有意な差を持って少なくなっていた。

 宮本は、テスト形式を英語を書かせるやり方に変えることで、自由発表語彙までは伸ばせないとしても、統制的発表語彙は伸ばすことができ、統制的発表語彙を伸ばすことも、

十分、意義あること、という。また、

これらが伸びたのは、テスト形式の波及効果だと結論づけている。

これから、私たちも、テストの波及効果を研究する。いろいろと参考になる研究である。

 

引用文献

宮本友紀(2012).試験設問形式が学習者の語彙習得に与える波及効果について:受容語彙と発表語彙の観点から。