英語教育雑感

英語教育雑感part2

巷で話題の英単語記憶術にもの申す

最近、巷で、単語帳を利用した、英単語記憶術なるものを動画やブログなどで拝見する。


ウリは、「単語1語につき1秒」とか言うもので、人間は、覚えても忘れてしまうものだから、どうせ忘れるなら、「単語1語につき1秒で意味を思い出せるか、チェックすればよい」というもの。どんどん進んで、一冊の単語帳を何周も繰り返したほうがよいという話。

もう少しまともな説では、「単語1語につき、1秒で思い出せるくらいに単語を自動化させておかないと、その単語は使いものにならない」ということらしい。


如何にも最もなのだが、認知科学を少し勉強すると、この説は間違い、ということがわかる。


最後の目標として、単語1語につき1秒で、

チェック、は構わない。


問題は、最初の単語との出会い方。


単語に限らず、脳に新情報が入るときは、

人間の脳は、1秒では反応しない。人間には、短期記憶と長期記憶とがある。新情報は、まずは、短期記憶として、脳で処理されるが、速いときは数十秒間で、長くても数十分で消滅してしまう。この短期記憶に蓄えられている間に、長期記憶にある様々な情報と

照合されると、それは長期記憶になるのである。単語1語につき、1秒では、長期記憶との

照合などはできるわけがない。


もちろん照合されても、忘れてしまう可能性はある。


しかし、短期記憶が長期記憶と照合される時間を確保してあげないと、長期記憶にはならないのである。


だから、単語という新情報との最初の出会いは、ゆっくりでなければならない。


そして、その単語が自動化されるために、

徐々にスピードアップしていく。


これがセオリーである。


私の提案は、最初は、単語を見て、頭の中でイメージしたりしてゆっくりと単語を処理し、だんだんとスピードを上げていくというものである。


このセオリーを使った単語集を考案中。